セールス-最終回

(商品市況概況)
「出口戦略」
 昨日の商品価格は続伸した。経済統計の改善(米中古住宅販売)を受けて株価が堅調に推移したことから、リスクマネーによる買いで上昇したものと見られる。足許発表される経済統計は市場予想よりも良い内容であり、最悪期を脱したといっても言い過ぎではない内容であるが、雇用情勢の悪化に伴う賃金減少→消費減少→景気腰折れ、の可能性もあり、加えて商品価格の上昇も景気回復局面の世界経済に冷や水を浴びせる可能性も高く、一本調子で相場が上昇を続けられるような環境ではないと考えている。そのため、「分かり易い短期的なトレンドにBetし、トレンドが反転すればすぐポジションを転換しよう」とする市場参加者が増えているものと推測される。いわゆる足の速い資金による買い、であるが、こうした市場参加者の増加は価格上昇局面では上昇を助長し、価格下落局面では下落を助長する傾向があるため、要注意である。
と、同時に経済対策の効果で価格の下限は確実に切り上がってきていると見るべきである(例えば、原油は年初想定していた30〜60ドルのレンジから20ドル上に、アルミは1,200〜1,600ドルのレンジから400ドル上にレンジがシフトしてきている)。

 各国の金融緩和策で過剰に供給された流動性が相場を大きく押し上げており、価格、特に株価が上昇するのは皆のマインドを好転させるので悪いこととは言わないのだが、商品価格の高騰は病み上がりの実態経済に悪影響を与える可能性があるため、ここまでの急騰はあまり喜べない。恐らくこの流れを止めるには、中央銀行の金融緩和策の中止(あるいは金融引き締め)が必要となるが、そうなると長期金利が上昇、回復の兆しが見えてきた住宅価格に悪影響を与え、再び株価が大幅に下落する可能性も否めず、各国中央銀行、特にFRBは難しい出口戦略を要求されることになろう。再び商品価格を占う上で、各国中央銀行の金融政策に注目すべきタイミングが訪れたと見ている。


(経済関連ニュース)
・6月ユーロ圏PPI 前年比▲6.6%(前月改定▲5.9%(速報比▲0.1%))、市場予想▲6.6%。
・6月米個人消費 前月比+0.4%(前月改定+0.1%(速報比▲0.2%))、市場予想+0.3%。
・6月米個人所得 前月比▲1.3%、賃金賞与 前月比▲0.4%、PCE価格指数 前年比▲0.4%、PCEコア価格指数 前年比+1.5%。
・6月米中古住宅販売成約指数 前月比+3.6%(前月改定+0.8%(則h時+0.7%))、市場予想+0.7%。

NY Dow  :9,320.19(+33.63)
S&P500   :1,005.65(+3.02)
NIKKEI225 :10,375.01(+22.54)
JPY/USD :95.41(+0.16)
USD/EUR :1.443(+0.0025)

・ドルは対ユーロで下続落。米中古住宅販売が好調であったことから、高金利通貨へのシフトが起きた。円は小動き。
日本株は小幅高、TOPIXは13連騰。米経済統計の好転に伴う米株価の上昇と、資源価格の上昇を受けて幅広く買われたが、実需が伴わない株価上昇ということもあって、上値は重かった。米株は上昇。夜間に発表された米中古住宅販売が好調であったことから。



穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :542.25(▲7)
Cbot Corn :354.50(▲3.5)
CSCE Sugar :19.35(+0.21)



(金属関連ニュース)
Comex Gold :967.50(+10.9)
Nymex Platinum :1,276.8(+37.1)

・NY金は続伸。米中古住宅販売の好調を受けて、リスクマネーの高金利通貨物色の動きが加速し、ドル安が進行したことから金も買われることとなった。しかし株が大幅に上昇する中、安全資産としての側面を持ち合わせる金は株価とトレードオフの関係になりやすく、引き続き上値は押さえられテイルとの印象。しかし同時に、上場投資信託として扱われていることから株と略同列の扱いとなりつつあり、株の上昇が明確な売り材料にはなりにくくなってきたようだ。また、ソブリンリスクの高まりや、ドル安懸念を背景として、各国が金の保有比率を増加させる動きが見られること、も地合いを堅調にさせている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 967.50(+10.9)。
 銀価格は暴騰。ドル安、株高、金高が買い材料となり続伸となった。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,469.50(+44.3)。

・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。米中古住宅販売が好調であったことから株価が上昇、ドル安も進行したことから積極的に物色されることとなった。昨日の引け(東京時間0:00)は1,276.8(+37.1)。
 パラジウムもプラチナの上昇を受けて大幅に上昇。明確なレジスタンスラインが存在しないことから上値余地を探る動きが継続している。昨日の引け(東京時間0:00)は280.9(+6.3)。"


Copper 3M :6,050.00(+50:5C)
 昨日の銅価格は大幅に上昇した。極端な楽観論が市場に広がっており、アジア時間から異常な上昇をみせた。その後LME在庫が大幅に増加したものの、米中古住宅販売が好調であったことから完全にかき消され、6,000ドルを固める展開となった。銅は中国の経済対策や在庫積み増し時期のずれ込みの影響もあってファンダメンタルズは強いものの、極端な上昇が続いているなとの印象である。ファンダメンタルズについては引き続き中国の在庫積み増し意欲が旺盛であることや、コンセントレートが継続的に不足する環境になる可能性が高いことから、中長期的には上昇トレンド入りしたと考えている。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は+3,775Mt増加、(FSCは60.7日)、(キャンセルワラント率は3.6%)。売買高は11,399枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は5ドルコンタンゴとバックからコンタンゴに転じた。昨日の引けは6,050.00(+50:5C)。

Zinc 3M   :1,853.00(+9:24.75C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。昨日までの流れを受けて続伸してオープンしたが、LME在庫の大幅増加(米国)を受けて大幅に調整。しかし夜間の米中古住宅販売が好調であったことから引けに掛けて反発した。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。しかし、雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は+13,000Mt増加、FSCは14.2日(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は4,924枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下しスティープニングしている。C-3は25ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,853.00(+9:24.75C)。

Lead 3M   :1,921.00(▲29:17.5C)
 昨日の鉛価格は下落した。アジア時間は前日までの流れを受けて堅調な推移となったが、LME在庫の大幅増加(米国)を受けて地合いが悪化、調整売りに押された。しかし夜間に発表された米中古住宅販売が好調出会ったことに伴う株価の堅調推移を受け、下げ幅は限られた。LME在庫の増加に見られるように需給は緩和傾向にあるが、7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は+3,250Mt増加、(FSCは4.9日、キャンセルワラント率は0.9%。)。売買高は2,338枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。C-3は18ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,921.00(▲29:17.5C)。

Aluminum 3M :1,990.00(+20:26.75C)
 昨日のアルミ価格は大幅に上昇した。欧州や米国でLME在庫が減少するなど、実質的に利用可能な在庫が少ないことから需給は在庫水準に関わらずタイトであり、夜間の米中古住宅販売統計が好調であったことなどから大幅な上昇となった。ややタイミングは早いとは思うが、予想していた「1,750ドルクリア後の2,000ドル」を達成してしまった。2,000ドルを上回った場合、過去のデータを鑑みると2,350ドル程度まで速やかに上昇してしまうケースは多く非常に注意せねばならない。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は▲3,750Mt減少、(FSCは44.9日)。(キャンセルワラント率は3.5%)。売買高は16,685枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,990.00(+20:26.75C)。

Nickel 3M :19,350.00(+520:60C)
 昨日のニッケル価格は大幅に上昇した。LME在庫の減少や米住宅統計改善に伴う株価の上昇を映じて大幅な上昇となった。LME在庫の絶対水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ていないが、株価の上昇に伴うセンチメントの好転による投機的な買いと、昨年から年初にかけての極端な在庫調整の影響で在庫積み増しがQ3までずれ込んでいることによって高値圏での推移が続いている。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高く、また一方で在庫積み増しの動きはしばらく続くと見られることからいずれにしてもニッケル価格は比較的高い水準での推移を余儀なくされよう。LME在庫は▲36Mt減少、(FSCは28.4日)、キャンセルワラント率は1.1%。売買高は2,784枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は60ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは19,350.00(+520:60C)。

Tin 3M   :14,750.00(▲250:372B)
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫の増加もありアジア時間は軟調な推移となり、50日移動平均線まで水準を切り下げたが、NY時間に発表された中古住宅販売好調であったことから引けに掛けて下げ幅を削った。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は+45Mt増加、(FSCは17.9日)、P596は2.44%。売買高は371枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は372ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは14,750.00(▲250:372B)。



(エネルギー関連ニュース)
WTI :71.42(▲0.16)
Brent :74.28(+0.73)

・米在庫統計市場予想 原油+1.2MB、ガソリン▲1.3MB、ディスティレート+1.2MB、稼働率▲0.23%
クウェート サバハ石油相「年末までの原油価格は70〜80ドルが望ましい」

 昨日のNY原油は期近が小幅下落した。米住宅関連統計が好調出あったことから多くの商品価格が上昇したが、WTIは期近のみ下落した。毎度のことであるが、月初のETFのポジションロールオーバーの影響によるものであるCFTCが指摘するように、ETF残高の増加がWTIの期近の価格の変動性を増していると見られる。結果、WTIは70ドルを維持し、底堅い推移となっている。イールドカーブは直近限月のみ下落したが、総じて期近が上昇している。直近限月の騰落率は▲0.2%。昨日の引けは71.42(▲0.16)。 Brentは上昇。米経済統計の好転を受けて続伸となった。この結果、とうとう6月の高値73.50ドルを上回るに至った。直近限月の騰落率は+1.0%。昨日の引けは74.28(+0.73)。 WTI/Brentのネガティブスプレッドは拡大。以前説明したとおりであるが現在の経済環境ではBrentの価格がより正確に原油市場動向を反映していると考えられる。
 石油製品はまちまち。RBOBは下落。一昨日の上昇局面でも6月の高値を上抜けできなかったこと、価格の急騰に伴う需要減少リスクが意識され調整を余儀なくされた。イールドカーブは概ねパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲0.6%。昨日の引けは205.67(▲1.26)。 ヒーティングオイルは上昇。唯一の買い材料である原油価格の上昇(WTIの直近限月は別)を受けて大幅に上昇し、6月の高値を上抜けるに至った。ディスティレート在庫の水準が著しく高いことから原油価格の上昇がない限り上昇しにくいが、昨晩も原油価格が堅調に推移したことから四連騰となった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+1.6%。昨日の引けは190.14(+3.01)。 ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+0.7%。昨日の引けは595.75(+4.25)。


(ひとりごと)
歩くこと3分

青年「こちらです」

青年は薄暗い建物に私を誘う
私が足を踏み入れると



青年「ご新規1名様でーーーす!!」



え?
どういうこと?
そうなのです。
彼が私を連れて行ったのは、海の家


って、おい!
サラリーマン、スーツのままで海の家に連れてきてどうするのッ!!



青年「だって、お昼、食べてないでしょ?」



否定できない。
確かにお昼食べていない。



青年「ウチのお店は、カレーと焼きそばがお勧めっすよ!!」



って、お勧めされちゃったよ。カレーと焼きそば。
スーツ着てさ
アタッシェ・ケース持ってさ
海の家でご飯食べないでしょ、フツー。
ピーク時の海の家にスーツでやってくる人なんて
借金取りか、地上げ屋か、海の家の看板娘を狙う地元のワルぐらいのものだろう(多分)

しかし、ある意味借金取りの仲間か...
と、妙な納得をしながら、促されるままに席に着いた


店員「ご注文は」
私「...じゃあ、カレーで」


頼んじゃいました。結局
しかし回りは浮き輪を持った家族や恋人たちで一杯
明らかに場違いである
そうしたらお客の中から以下のような会話が聞こえてきた



「ママ、あの人はなんであんな格好しているの?」
「あの人はセールスマンなのよ!」



デジャヴ?
いや。
違う親子が、私について会話しているようだ。
電車の時と同様に反論するのも悔しいので黙って聞いていると



「ママ、あの人はお休み取れなかったのかな」
「きっと物が売れないから、お休みできなかったのよ。今はお昼休みでカレーを食べているのよ」
「ふーん」



その後、カレーが運ばれてきた。
黄色い、いかにもって感じのカレーが。コップにスプーンを入れた水と共に。
一口、口に運ぶが、不味い。
兄ちゃん、よっぽど普段貧しいもの食べてんな、と思いながら、敗北感を感じながら5分でカレーを食べた。


結局、その日は営業上の有益な情報ゼロ
人間的な敗北感のみを味わう1日であった
実はこの後、結構衝撃的なことが起こるのだが、それはまた別の機会に。
(終わり)

ニュージーランドでワイン造りをしている友人のサイトも宜しくお願いします。
http://ameblo.jp/satowines/