西川さん辞任

【商品市況概況】
「調整売り」
 昨日の商品価格は軒並み下落した。米住宅関連統計が2日連続で市場予想を下回ったことから景気の先行きに対して慎重な見方が広がったことと、それを受けた株安、ドル高が材料となった。ただしこれも正直なところ「つけたり」の理由で、足許の相場の真実は、金融の量的緩和に伴うインフレ政策で流動性の高い商品が物色されて上昇している、ということであり実需と言われる取引もその多くが投機目的の現物の保有であることを鑑みると、実のある本格的な景気回復には時間がかかると考えられる。
 尚、モノの荷動きの指標とされるバルチック海運指数は、今年4月からの(特に中国)経済対策効果で大幅に上昇、その後低下してきたが9月を底に再び上昇を始めており、少しずつではあるが荷動きが回復しつつあることは指摘しておきたい。悪い話ばかりではない。


【経済関連ニュース】
・ブラジル マンテガ財務省「海外投資家によるレアル建の確定利付債と株の購入に課税」
・9月米住宅着工件数 前月比+0.5%の59万戸(前月改定58.7万戸(速報比▲0.9万戸))。住宅着工許可件数 57.3万戸。
・9月米PPI 前月比▲0.6%(前月改定+1.7%)。除くエネルギー・食品(コア指数) 前月比▲0.1%。
・西川郵政社長、辞任。


NY Dow  :10,041.48(▲50.71)
S&P500   :1,091.06(▲6.85)
NIKKEI225 :10,336.84(+100.33)
Dax :5,811.77(▲40.79)
FT250 :9,486.28(▲60.36)
Sensex  :17,223.01(▲103)
Shanghai A :3,237.196(+48.55)
Brazil Bovespa :65,303.1094(▲1,936.344)

JPY/USD :90.86(+0.16)
USD/EUR :1.491(▲0.004)


・ドルは対ユーロで上昇。米中宅着工が市場予想を下回ったことや株価の調整を受けて、リスク資産からの資金還流が起きた。円は続落している。
日本株は上昇。米株の大幅な上昇を受けて。米株は下落。米住宅着工が市場予想を下回り、かつ住宅着工許可件数も同様であったことから、企業決算が好調出会ったものの調整売りに押された。


穀物
Cbot Wheat :517.50(▲0.25)
Cbot Corn :384.50(▲1.75)
CSCE Sugar :23.04(▲0.53)



【貴金属・非鉄金属
Comex Gold :1,057.80(+0.5)
Comex Silver :1,755.80(▲6.7)
Nymex Platinum :1,350.0(▲8.1)
Nymex Palladium :337.65(+3.25)

・NY金は小幅上昇した。といっても取引序盤上昇した後、ドル高が進行して下落したが前日比プラスだった、と言うだけである。足許、株が上がっても買われるし、下がっても安全資産として買われる状態であるが、ドルの上昇だけはさすがに無視できないようだ。今後は金は高い水準での推移が続くと考えている、材料は、CFTCの規制により現物担保のETFニーズ特に規制の主要対象となっていない貴金属に買いが入り安いこと、中央銀行が準備通貨の分散を図ることに伴う現物需要が増加すると見られること、他国通貨比で見た場合のドル安継続の可能性が高いことである。そもそも金価格が上昇してクレームする人は他の食物やエネルギーに比べれば圧倒的に少ないと思われることも、投資家の買い安心感に繋がっているようだ。当コラムではテクニカル分析を元に、1,400ドルをターゲットに設定したい。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,057.80(+0.5)。
 銀価格は下落した。株安、ドル高を受けて下落し、10日移動平均線を下回った。今後は銀生産の多くが亜鉛・鉛の鉱山からの生産であり、資本投資の不足から供給が限られると見られるため、銀価格は対金比でも高いパフォーマンスを維持することになろう。投機の動きも押し上げ材料。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,755.80(▲6.7)。

・NYプラチナ価格は下落した。株安、ドル高が拝啓。今後は日米欧の自動車需要減少が、途上国の自動車需要、宝飾品需要がカバーするとみられること、当局規制の影響の少ない貴金属ETFは投機の対象となりやすいことから更なる上昇を予想する。昨日の引け(東京時間0:00)は1,350.0(▲8.1)。
 パラジウムは上昇した。今後はプラチナと同様、触媒・宝飾需要がパラジウム価格を押し上げることになると見るが、地上在庫が12百万オンス程度あるものとみられ、プラチナ程の価格上昇にはならないと考えている。昨日の引け(東京時間0:00)は337.65(+3.25)。"

・1-7月銅世界需要 184,000Mt、生産186,000Mt(ICSG)。
・BHP Billiton Olympic Damはウランと銅の生産に関し、フォースマジュールを宣言。

Copper 3M :6,416.00(▲54:20C)
 昨日の銅価格は下落した。米企業決算が好調であったものの、住宅着工が市場予想を下回ったことに伴う地合いの悪化と、前日の上げ幅が大きすぎたこともありNY時間にはいってからは略一貫して水準を切り下げる動きとなった。今後は、経済対策の効果剥落に伴う需要減少で一旦下落する可能性はあるが、大手生産者の労使交渉の更新がこの四半期に訪れること(上記の通りストに繋がる)や、(本格的ではないが)景気回復が持続すると見られることから中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するものと見られる。LME在庫は+550Mt増加、(FSCは7.2日)、(キャンセルワラント率は1.5%)。売買高は14,576枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は20ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは6,416.00(▲54:20C)。

Zinc 3M   :2,130.00(+18:26.5C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。前日の流れを受けて県庁な推移となり、その後の米株下落で地合いが悪化したものの比較的高い水準を維持したまま引けた。今後は、亜鉛価格は堅調な推移になると考えている。最大需要国である中国の鉄鉱石輸入の増加に伴う亜鉛需要の増加観測、同時に中国国内の環境面を意識した精錬キャパシティの縮小が、需給をタイトにさせると予想されるためである。LME在庫は▲350Mt減少、FSCは14.4日(キャンセルワラント率は2.4%)。売買高は6,119枚。イールドカーブはパラレルに上昇。C-3は27ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは2,130.00(+18:26.5C)。

Lead 3M   :2,299.00(+11:25.75C)
 昨日の鉛価格は上昇した。取引序盤から前日の流れを受けた買いが継続し上値を試したが、株安、ドル高がNY時間に進んだことから上げ幅を削った。年内は自動車買取プログラムが継続されることから短期的に上値を狙う動きも出ているものと見られる。今後は鉛需給は均衡すると考えられることから、在庫水準の高さを映じて徐々に水準を切り下げると見ている。足許の価格高騰は各国の自動車買い替えプログラムによるバッテリー特需と、中国政府の環境に配慮した生産減少(ここまで約400KMtの生産キャパシティが縮小)によるものであるが、これは徐々に緩和することになろう。LME在庫は+25Mt増加、(FSCは5.7日、キャンセルワラント率は1.7%。)。売買高は3,325枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は26ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは2,299.00(+11:25.75C)。

Aluminum 3M :1,914.00(▲31:35.75C)
 昨日のアルミ価格は下落した。アジア〜欧州時間は堅調な推移となったが、NY時間に発表された米住宅着工が市場予想を下回ったことやドル高の進行が地合いを悪化させ、前日の上げ幅を略吐き出す形での下落となった。1,800ドルが下値の目処として足許強く意識されており、今後予想される調整局面でこの水準を下回り、100日移動平均線のサポートライン(1,750ドル)を試す動きになるかどうかが調整時の下値の目処を見る上で大きなポイントとなるが、その可能性は低くなっていると見ている。下値を試した後は低金利コンタンゴを背景に現物需要が高まり、上昇すると考えている。広くアルミ市場が供給過剰であることが知られているが、こうしたファイナンス上の理由で相場は下支えされよう(過剰在庫の水準は既に価格に織り込み済み)。大幅な下落のリスクは、来年の夏以降のファイナンスが継続せず使用可能な在庫が増えることであるが、経済環境を鑑みるとそれはもう少し先になると予想される。LME在庫は+35,975Mt増加、(FSCは48.5日)。(キャンセルワラント率は2.0%)。売買高は12,127枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は36ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,914.00(▲31:35.75C)。

Nickel 3M :18,850.00(▲425:72C)
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫の増加が継続していることや株安、ドル高が地合いを悪化させ、前日の上昇分を吐き出す形で下落、10日移動平均線のサポートラインまで水準を切り下げる動きとなった。今後は徐々に水準を切り上げる動きになると考えている。中国の輸入が大幅に増加したが、これは民間レベルにまで及ぶ投機的な現物の買いによるものであることが指摘されており、今後もこの状態が継続するとは考えにくいが、中国以外の国々でも景気の底打ち感の強まりから在庫積み増しの動きが見られると予想されることから、需要は向こう1年半程度横ばいと見ている。一方で、大手生産者は引き続き生産を見送っており、トータルでニュートラルであると見られ、需給は均衡、景気回復に伴い価格は上昇することになろう。LME在庫は+258Mt増加、(FSCは36.1日)、キャンセルワラント率は0.9%。売買高は1,252枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は72ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは18,850.00(▲425:72C)。

Tin 3M   :14,400.00(▲175:385B)
 昨日の錫価格は下落した。取引序盤は前日の流れを受けた上昇が見られたがすぐに下落に転じ、NY時間の統計が市場予想を下回り株安・ドル高が進行したこともあってほぼ一貫して水準を切り下げる動きとなった。ここ数種間維持している100日移動平均線でサポートされて引けている。今後は最大生産国であるインドネシアの動向に大きく影響を受ける状況が続くと見られ、需給はタイトに推移することになろう。この夏、インドネシア政府は違法生産者の逮捕に踏み切っており、インドネシアからの精錬錫の輸出は激減することが予想されているためだ。中国需要の減少に伴う裁定取引機会の縮小が需中国の需要を減少させようが、供給の不安定さが引き続きイールドカーブの形状をバックワーデーションに維持することが予想される。LME在庫は▲20Mt減少、(FSCは25.6日)、P596は1.52%。売買高は296枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は385ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは14,400.00(▲175:385B)。



【エネルギー】
WTI :79.09(▲0.52)
Brent :77.24(▲0.53)

・IEA田中事務局長「石油需要は引き続き増加する見通し」
OPECバドリ事務局長「原油が100ドルであればそれは居心地が悪い水準。原油は十分に供給している。原油生産増加の前に、洋上在庫の解消を期待している」

 昨日のNY原油は下落した。80ドルの心理的節目を一時上回ったもののやはり節目では売り圧力も強く、その後の株価下落やドル高の進行で水準を切り下げる動きとなった。ただし金融の量的緩和が継続していることやドル安の継続に伴う価格押し上げ効果が続くと考えられ当面の間、金融相場が続くことになろう。尚、しばらくは消費が耐えうる価格レベルを試す動きになると見るが、景気回復の持続可能な価格のぎりぎりの上限は80ドルが限界であると考えている。中期的にはIMFの見通し上方修正にあるように、景気回復に伴う需要増加観測から水準を切り上げる動きになると考えている。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲0.7%。昨日の引けは79.09(▲0.52)。 Brentは下落した。直近限月の騰落率は▲0.7%昨日の引けは77.24(▲0.53)。 WTI/Brentは+1.85のポジティブスプレッドに。
 RBOBは上昇した。原油価格と同様、一時200セントの節目をトライする動きとなったがその後の原油価格の下落で結局上げ幅を削った。足許、需要(出荷)が増加しているが、どちらかといえばウィンターグレードへの入れ替えに伴う需要増加であり、総じて需要は緩慢であるとのスタンスは大きく変更する必要はない。イールドカーブは期近のみ上昇、期先は下落している。直近限月の騰落率は+0.0%。昨日の引けは198.77(+0.05)。 ヒーティングオイルは下落した。RBOBと同様、原油価格の下落を受けて。在庫統計で需要(出荷)の増加が見られたが、ガソリン同様ウィンターグレードへの交換時期でもあり、季節的な動きである。総じてFSCは高くファンダメンタルズは弱く、ここまでの価格上昇はファンダメンタルズのみでは全く正当化できない。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。直近限月の騰落率は▲0.2%。昨日の引けは204.73(▲0.49)。 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+0.7%。昨日の引けは637.50(+4.5)。



【ひとりごと】
昨日、郵政の西川社長が退任した。
本人のコメントだと、自分の今の責務と国の方針が著しく違うから、とのこと。
確かに著しく違うよなぁ。

でも、あんなに難しいポストの社長に就いてくれる人って、いるんでしょうか?
もし私のところに電話がかかってきてお願いされたら、絶対断るよなぁ。

え?かかってこないって?
そりゃそうですね。失礼しました。



って、言っている間に、元大蔵次官の斎藤さんがやるって亀井さんが言ってますね。
あっさり引き受けちゃってますね。
決まったからには頑張ってもらいたいものです。