週末

【商品市況概況】
「雇用統計悪化」
 昨日の商品価格は下落した。アジア時間から軟調な推移となっていたが、夜間の米雇用統計の悪化を受けて水準を切り下げる動きとなった。昨日のポイントは、価格の下落はアジア時間からすでに始まっていたことである。LME等の市場は投機筋の動きに関する統計を発表していないため正確なことはわからないが、CFTCのデータでは、略すべてのコモディティがこの2年で最も買い越し幅が大きくなっている(豊作が伝えられている穀物は別であるが、それでも買い越し)。こうした投機資金が夜間の統計を控えてポジション調整、というか利益確定の売りを入れたものと予想される。今後に関しては結局のところ、景気の本格的な回復はまだ遠く、需要の増加も経済対策の効果によるものであることが徐々に実感として伝わりつつあり、市場参加者は経済統計をにらみながら一喜一憂することになろう。
 私はそこまで景気の先行きに関して楽観していないが、実感として昨晩の統計の悪化を見ても「悪いのだがそこまで悪く感じなかった」のが正直なところである。これは結局株価が市場参加者に与えるセンチメント改善効果が大きいことによるものだと考えている。株価が堅調な推移を続けているならば、大幅な商品価格の下落の可能性は低かろう。センチメントを悪化させる材料とするとやはり雇用情勢の悪化に伴う賃金減少である。日本が長年、低賃金にあえぎ消費が力強い回復を見せず長期にわたってデフレが続いていることを例にあげるとわかりやすいかもしれない(このような状況では株式市場への投資は活発化しにくいからである。日本市場の半分以上が外国人投資家)。




【経済関連ニュース】
・10月英生産者物価指数 前月比+0.2%(前月改定+0.5%)。
・9月独製造業受注指数 前月比+0.9%(前月改定+2.1%(速報比+0.7%))。
・10月米非農業部門雇用者数 前月比▲190千人(前月改定▲219千人(速報比+44千人))。失業率10.2%(前月改定9.8%)。
・9月米卸売在庫 前月比▲0.9%(前月改定▲1.3%)。卸売売上高 前月比+0.7%(前月改定+1.1%)。在庫比率1.18ヶ月(前月1.20ヶ月)。
・9月米消費者信用残高 前月比▲148億ドル(前月改定▲99億ドル(速報比+21億ドル))。

NY Dow  :10,023.42(+17.46)
S&P500   :1,069.30(+2.67)
NIKKEI225 :9,789.35(+71.91)
JPY/USD :89.83(▲0.76)
USD/EUR :1.484(▲0.0021)

・ドルは対ユーロで上昇。注目の米雇用統計はトリシェ総裁の量的緩和の段階的な解除発言を受けて。一方、FRBによる利上げはさらに先になるとの見方から。夜間の米経済統計が好調であったことから短期的に高金利通貨へのシフトが起きた。円も軟調に推移。ドルと円はキャリートレードの原資となっている可能性が高く、経済統計の改善があれば軟調に推移するという動きが続いているが、基本、今週のFOMCを控えてレンジ推移となっている。
日本株は上昇。米経済統計が比較的安定していたことや円安傾向で。米株は小幅上昇。米統計を受けて下落したが、その後企業業績の好転等を材料に買い戻しが入った。



穀物市場サマリー】
Cbot Wheat :497.25(▲15)
Cbot Corn :367.00(▲9.5)
CSCE Sugar :21.84(▲0.34)



非鉄金属・貴金属】
Comex Gold :1,095.70(+6.4)
Nymex Platinum :1,348.2(▲14.7)

・NY金は上昇した。米雇用統計が悪化したことからドル高が進行、その後水準を切り下げる動きとなった。しかし引けにかけてやはり質への逃避から金は再び物色され、前日比プラスで引けている。金は足元、幅広く市場参加者に支持されているコモディティであり、特に金が上昇して困る人の数が少ないこともあって上昇に拍車がかかっている(というよりも、マネーフローの変化を通じて高止まっているというのが正確な言い方)。当コラムの中期的なターゲット価格は1,400ドルとしている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,095.70(+6.4)。
 銀価格は下落した。ドル高の進行を受けて。銀はその後株価が低迷したこともあって前日比マイナスのまま引けている。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,737.50(▲3.5)。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが279,524(前週比 +6,578)、ショートが38,205(前週比 +7,036)となったことから、ネットで241,319(前週比 ▲458)となった。銀はロングが45,742(前週比 +6,578)、ショートが5,944(前週比 +7,036)となったことから、ネットで24,951(前週比 +7,000)となった。

・NYプラチナ価格は下落した。雇用統計を受けたドル高の進行と、株の低迷を受けて。今後は日米欧の自動車需要減少を途上国の自動車需要、宝飾品需要がカバーするとみられること、当局規制の影響の少ない貴金属ETFは投機の対象となりやすいことからさらなる上昇を見込んでいる。昨日の引け(東京時間0:00)は1,348.2(▲14.7)。
 パラジウムも下落した。今後はプラチナと同様、触媒・宝飾需要がパラジウム価格を押し上げることになろう。ただし引き続き地上在庫が12百万オンス程度あるものとみられ、プラチナ程の価格上昇にはならないと考えている。昨日の引け(東京時間0:00)は330.7(▲1.15)。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、プラチナはロングが21,025(前週比 +667)、ショートが1,721(前週比 +660)となったことから、ネットで19,304(前週比 +7)となった。パラジウムはロングが38,502(前週比 +667)、ショートが29,440(前週比 +660)となったことから、ネットで14,100(前週比 +429)となった。


Copper 3M :6,490.00(▲41:20.75C)
 昨日の銅価格は下落した。上海在庫の増加とLME在庫の増加でそもそも軟調な推移となっていた中、米雇用統計の悪化を受けたドル高の進行が銅価格の水準を押し下げた。足元、CFTCの投機家ポジションは(LMEとは直接関係ないが)2年ぶりのネットロングとなっており、今後の為替動向でこれらのポジションのクローズが相場を押し下げる可能性がある。今後は、経済対策の効果剥落に伴う需要減少で一旦下落する可能性はあるが、大手生産者の労使交渉の更新がこの四半期に訪れることや、(本格的ではないが)景気回復が持続すると見られることから中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するものと見られる。LME在庫は+5,750Mt増加、(FSCは7.8日)、(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は11,073枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は21ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは6,490.00(▲41:20.75C)。
 9月の中国の銅関連品輸入は1,090.77(前月比+56.95, 前年比+73.54)、輸出は11.46(前月比+4.94, 前年比+8.67)となっている(単位はいずれもKMt)。

Zinc 3M   :2,174.00(▲45:26.25C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。上海在庫の大幅増加を受けて軟調な推移となっていたが、米雇用統計の悪化を受けたドル高で水準を切り下げた。中期的には亜鉛価格は堅調な推移になると考えている。最大需要国である中国の鉄鉱石輸入の増加に伴う亜鉛需要の増加観測、同時に中国国内の環境面を意識した精錬キャパシティの縮小が需給をタイトにさせると予想されるためである。ただし、在庫投資を含めた中国の需要は頭打ちの状態が続いており現時点においては急速な上昇は見込み難い環境にある。LME在庫は▲600Mt減少、FSCは14.4日(キャンセルワラント率は2.5%)。売買高は3,910枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,174.00(▲45:26.25C)。
 9月の中国の亜鉛輸入は47.82(前月比 +6.34, 前年比 +0.32)、輸出は1.79(前月比 +0.79, 前年比 ▲3.11)となっている(単位はいずれもKMt)。

Lead 3M   :2,249.00(▲86:26.5C)
 昨日の鉛価格は下落した。夜間の米雇用統計の悪化に伴うドル高の進行を受けて水準を切り下げた。今後は鉛需給は均衡すると考えられることから、在庫水準の高さを映じて徐々に水準を切り下げると見ている。また、中国国内の生産回復で一時の鉛不足が解消し、LME/上海のスプレッドも縮小しており、ファンダメンタルズ的には下値を試しやすい環境にある。自動車買い替えプログラムと、中国政府の環境に配慮した生産減少の影響は緩和してきている。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは5.8日、キャンセルワラント率は0.3%。)。売買高は2,163枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,249.00(▲86:26.5C)。
 9月の中国の鉛輸入は10.77(前月比 +2.77, 前年比 +1.64)、輸出は2.98(前月比 +1.53, 前年比 +2.31)となっている(単位はいずれもKMt)。

Aluminum 3M :1,910.00(▲15:32.25C)
 昨日のアルミ価格は下落した。下落の要因は上海在庫の大幅増加と、夜間の雇用統計の悪化。足元中国のプライマリアルミの需要は頭打ちで、スクラップ需要の増加がこれを相殺、需要は高い水準で横ばい推移している。基本、中国の需要が堅調であればアルミ価格は2,000ドル前後で安定するが、中国の需要が低調になった場合にはこの水準を下回る。中国の政府による追加経済対策実施の可能性は低く、民間の純粋な需要が継続するか否かポイントになる。調整局面入りした場合、1,800ドル、次に現在の平均生産コストとみられる1,600ドルが下値の目処として意識されることとなる。LME在庫は▲3,275Mt減少、(FSCは48.1日)。(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は5,782枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は32ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは1,910.00(▲15:32.25C)。
 9月の中国のアルミ関連製品の輸入は935.86(前月比+174.94, 前年比+366.51)、輸出は33.36(前月比+5.97, 前年比▲31.59)となっている(いずれも単位はKMt)。

Nickel 3M :17,350.00(▲410:67C)
 昨日のニッケル価格は下落した。アジア時間から弱含み推移していたが、夜間の米統計でドル高が進行したことが材料となった。大きかったのはこの下落で今年3月の米量的緩和実施以来維持してきた100日移動平均線を割り込んだことである。過剰流動性が支えてきたマーケットであることもあり、この水準を割り込んだ状態が続くか否かは大きなポイントとなる。今後は中国の需要が鈍化すると予想されるものの、中国以外の国々でも景気の底打ち感の強まりを受けた在庫積み増しの動きが始まると予想されることから、需要は向こう1年半程度横ばいと見ている。一方で、大手生産者は引き続き生産を見送っており、需給はニュートラルになるとみられ景気回復に伴い価格は上昇することになろう。LME在庫は+216Mt増加、(FSCは38.0日)、キャンセルワラント率は0.9%。売買高は2,521枚。イールドカーブは期近が下落しベアフラットニングしている。C-3は67ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは17,350.00(▲410:67C)。
 9月の中国のニッケルの輸入は20.49(前月比 ▲2.21, 前年比 +10.05)、輸出は3.16(前月比 ▲1.63, 前年比 +2.62)となっている(いずれも単位はKMt)。

Tin 3M   :14,750.00(▲225:66B)
 昨日の錫価格は下落した。アジア時間から軟調な推移であったが、夜間の米雇用統計を受けたドル高の進行で大幅に水準を切り下げた。今後は最大生産国であるインドネシアの動向に大きく影響を受ける状況が続くと見られ、需給はタイトに推移することになろう。この夏、インドネシア政府は違法生産者の逮捕に踏み切っており、インドネシアからの精錬錫の輸出は激減することが予想されているためだ。中国需要の減少に伴う裁定取引機会の縮小が需中国の需要を減少させようが、供給の不安定さが引き続きイールドカーブの形状をバックワーデーションに維持することが予想される。LME在庫は▲30Mt減少、(FSCは25.6日)、P596は0.8%。売買高は137枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は66ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは14,750.00(▲225:66B)。
 9月の中国の錫の輸入は1.9(前月比 +0.26, 前年比 +0.9)、輸出は0.4(前月比 +0.25, 前年比 +0.38)となっている(いずれも単位はKMt)。



【エネルギー関連ニュース】
WTI :77.43(▲2.19)
Brent :75.87(▲2.12)

 昨日のNY原油は下落した。米雇用統計は詩よを下回る内容であり、そもそもドル安や景気回復期待を先取りする形で上昇していた原油も下落を余儀なくされた。ファンダメンタルズによらず、株や為替といった周辺材料で相場が動いていることの証左である。イールドカーブは期近が下落し、ベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲2.9%。昨日の引けは77.43(▲2.19)。
 Brentは下落した。イールドカーブ期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲2.9%。昨日の引けは75.87(▲2.12)。
 WTI/Brentのスプレッドは1.56のポジティブスプレッドとなっている。"
 RBOBは下落した。原油価格の下落を受けて。長期にわたってガソリン価格を押し上げるファンダメンタルズ材料はないものの、在庫の需給は数値の上ではFSCが5年レンジに入っており、原油価格がドル安等を受けて上昇する場合にはこの限りではないが昨晩は原油安の影響を受けた。気になるのがクラックスプレッド水準の縮小である。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲3.4%。昨日の引けは192.43(▲6.34)。
 ヒーティングオイルは下落した。原油価格の下落に連れる形で。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲2.8%。昨日の引けは200.35(▲5.41)。
 ICEガスオイルは下落した。イールドカーブはパラレルに低下。直近限月の騰落率は▲5.7%。昨日の引けは607.25(▲32.5)。



【ひとりごと】
私の子供は、イースト菌を使ったものが大好きだ
パンとかピザとか

要は膨らむものが好きなんですな。
今朝も朝から早起きして
カミさんとピザを作ってくれた(ほとんどカミさんが作ってますが)。
しばらくしたら


「ピザができたよ!起きてよ!」
「トマトソースも作ったよ!」


とわが子がやってくる。

不景気であんまり楽しいことがない中
すごく素敵な気分になった週末の始まりであった。
さ、今から公園にでも連れて行きますか...
カミさんは今からお茶のお稽古です。