3キロ

【商品市況概況】
「海外インフレ、日本はデフレ」
 昨日の商品価格は大幅な上昇となった。低金利政策の継続と米小売売上高の回復といった材料を受けて株価が上昇したことから。だが、そこまで株価が上昇するような材料が昨晩あったわけではないと思う。G20APECで景気刺激策の継続が確認されていることが官製需要の増加観測を促し相場の上昇に繋がっているのだろうか。ただ、官製需要の増加に伴う景気下支えは各国の財政悪化、国債増発に伴う需給悪化に伴う金利上昇を引き起こし、長期間にわたってこれを実施することは難しい。早いタイミングで財政規律が維持できるように、民需が回復することを祈るばかりであるが、そこまで個人消費は強くないというのが実感である。ただし、株価は市場のセンチメント形成の王様であり、株価が上昇している環境であれば多くの商品価格は上昇するという構造は当面大きく変化することはないだろう。

 翻って日本のマーケットであるが、株価は海外株が上昇しているにも関わらず殆ど上昇していない。恐らく、政権交代に伴う政局の混迷とその間に進んだ円高が材料になっているものと見られる。一連の政治関連の懸念が早期に解決することがまず、景気の先行きの不透明感を払拭するものと期待される。このままだと日本はデフレ状態が継続、海外市況の高騰で価格転嫁が進みにくい製造業の利益が圧迫され、所得が減少し、更に消費が減少するという典型的なデフレスパイラルに入るリスクが高くなってきている。デリバティブの活用等で自衛手段をとるべきタイミングに差し掛かっていると考えている。



【経済関連ニュース】
・10月対中直接投資 前年比+5.7%(前月改定+18.9%)。
・10月ユーロ圏消費者物価指数改定値 前年比▲0.1%(速報比変わらず)。
・11月NY連銀製造業景況指数 23.5(前月改定34.6)。
・10月米小売売上高速報 前月比+1.4%(前月改定▲2.3%(速報比▲0.8%)。
・10月米企業在庫 前月比▲0.4%(前月改定▲1.6%(速報比▲0.1%))。企業売上高 前月比▲0.3%(前月改定+1.1%)、売上高在庫比率1.32ヶ月。
バーナンキ議長 銀行融資の縮小と労働市場の改善が遅れていることが、米経済の回復を遅らせるだろう。ドル相場の動きは注視している。強いドルを支持。当然のことながら経済環境に大きな変化があった場合には金融政策は見直す。


NY Dow  :10,406.96(+136.49)
S&P500   :1,109.30(+15.82)
NIKKEI225 :9,791.18(+20.87)
Dax :5,804.82(+117.99)
FT250 :9,523.27(+149.53)
Sensex  :17,032.51(+183.68)
Shanghai A :3,435.40(+92.171)
Brazil Bovespa :66,627.1016(+1,301.473)

JPY/USD :89.3(▲0.27)
USD/EUR :1.496(+0.0028)


・ドルは対ユーロで下落した。バーナンキ議長のドル安牽制発言があったものの、低金利政策の継続は現時点においては自明であり、逆に売り材料となった。個人的にはバーナンキ議長は口先介入の効果がどれほどあるかを試したように感じる。円は対ドルで上昇。ドル安の流れを受けて。

日本株は小幅上昇している。世界の株の上昇を受けて。ただし政策の不透明感や国内のデフレ懸念(もうデフレになっていると考えられるが)を受けて、各国株価よりも相当出遅れ感がある。アジア株は大幅に上昇。APECでの景気刺激策の維持などが地合いを強くした。米国株は大幅に上昇。個人消費の回復が地合いを好転させたようだ。GMの赤字縮小も相場の楽観ムードを誘った。


穀物
Cbot Wheat :562.25(+23.25)
Cbot Corn :402.25(+11.75)
CSCE Sugar :22.62(+0.51)



【貴金属・非鉄金属
Comex Gold :1,139.20(+22.5)
Comex Silver :1,840.00(+102)
Nymex Platinum :1,444.6(+55.9)
Nymex Palladium :376.0(+19.25)

・NY金は上昇した。ドル安の進行を受けて。また各国中央銀行の金準備積み増しの動きが加速しており、こうした需給要因も相場の押し上げ材料となっている。今後も金は高い水準での推移が続くと考えている、材料は簡単言えば明確な売り材料が存在しないことである。明確な下落の材料としては足許ドル高の進行や中央銀行の金市中売却ぐらいであろうが、その可能性は低い。バーナンキ議長のドル高発言も略無視されており、実際に金利が引き上げられなければドル高に傾くのは当面難しかろう。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,139.20(+22.5)。
 銀価格は上昇した。ドル安と株高が支援材料となった。ターゲットの18ドルを上抜けしたが、金が更に上値を狙い安い環境下、最大で25ドル程度までの上昇は合ってもおかしくないと考えている。今後は銀生産の多くが亜鉛・鉛の鉱山からの生産であり、資本投資の不足から供給が限られると見られるため、銀価格は対金比でも高いパフォーマンスを維持することになろう。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,840.00(+102)。"

・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。ドル安の進行と上抜けするのは難しかろうと考えられていた1,400ドルの心理的節目を上抜けしたため、ロスカットの買い戻しなどを巻き込み大幅な上昇となった。今後は日米欧の自動車需要減少が、途上国の自動車需要、宝飾品需要がカバーするとみられること、当局規制の影響の少ない貴金属には投機の対象となりやすいことから更なる上昇を予想する。昨日の引け(東京時間0:00)は1,444.6(+55.9)。
 パラジウムは上昇した。昨日の引け(東京時間0:00)は376.0(+19.25)。

モーリシャス中銀がIMFより金2トンを購入。
・鉄鉱石価格は中国の輸入増加で7月以来の高値に。


Copper 3M :6,850.00(+330:19.25C)
 昨日の銅価格は大幅に上昇した。前日までの流れを受けて軟調に推移していたが、NY時間の株冒頭を受けて大幅に上奏し、10月26日の高値である6,732ドルをとうとうブレイク、大幅な上昇となった。今後に関してはCFTC Non-Commercialの銅ネットポジションが数年ぶりのロングとなっており、11月末の評価期限を迎えるファンドや投資銀行等が利食い手仕舞い売りがLMEでも入る可能性が高いと見ており、年末に向け下値を探る動きとなろう。今後は、大手生産者の労使交渉の更新がこの四半期に訪れることや、景気回復が持続すると見られることから中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するとの見方に変更はない。ただし現在の経済環境がこの銅価格を許容できるかに関しては引き続き疑問である。LME在庫は+2,825Mt増加、(FSCは8.2日)、(キャンセルワラント率は0.4%)。売買高は15,800枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は19ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは6,850.00(+330:19.25C)。

Zinc 3M   :2,279.00(+105:26.25C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。アジア時間から欧州時間に掛けてはLME在庫の大幅な増加といったマイナス材料もあってレンジワークとなっていたが、NY時間の株暴騰を受けて地合いが好転、一気に水準を切り上げた。今後も亜鉛価格は堅調な推移になると考えている。最大需要国である中国の鉄鉱石輸入の増加に伴う亜鉛需要の増加観測、同時に中国国内の環境面を意識した精錬キャパシティの縮小が、需給をタイトにさせると予想されるためである。LME在庫は+9,300Mt増加、FSCは14.7日(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は4,656枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,279.00(+105:26.25C)。

Lead 3M   :2,390.00(+115:20.5C)
 昨日の鉛価格は上昇した。他の非鉄金属と同様、アジア時間は冴えない推移であったが、NY時間の株暴騰で地合いが一転、大幅な上昇となった。但し切りの良い2,400ドルラインを上抜けることはなかった。今後は鉛需給は均衡すると考えられることから、在庫水準の高さを映じて徐々に水準を切り下げると見ている。足許の価格高騰は各国の自動車買い替えプログラムによるバッテリー特需と、中国政府の環境に配慮した生産減少(ここまで約400KMtの生産キャパシティが縮小)によるものであるが、これは徐々に緩和することになろう。但し市場のセンチメント形成に大きな影響を与える株式市場が、景気回復を過剰に織り込む形で上昇しており、この流れが続く場合にはこの限りではない。LME在庫は▲25Mt減少、(FSCは5.9日、キャンセルワラント率は0.6%。)。売買高は2,514枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は21ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,390.00(+115:20.5C)。

Aluminum 3M :2,030.00(+84:33C)
 昨日のアルミ価格は大幅に上昇した。アジア時間からAPECでの共同声明を受けた打診買いが入っていたが、NY時間の株暴騰を受けて地合いが一気にブルに傾き、大幅な上昇となり、この数ヶ月間上回ることが出来なかった2,000ドルラインをとうとう上抜けするに至った。アルミはLME在庫の高い水準とは関係なく、実質的に取引可能なアルミ在庫の数量が少ないことを材料に堅調な推移が続いている。今後はこの2,000ドルラインを維持できるか否かがポイントとなる。2,000ドルを維持するか否かのポイントは、中国勢の買いがマーケットにあるかどうかで決定される。LME在庫は▲175Mt減少、(FSCは48.0日)。(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は12,749枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は33ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,030.00(+84:33C)。

Nickel 3M :16,800.00(+695:58C)
 昨日のニッケル価格は上昇した。200日移動平均線を目指して水準を切り下げる動きが続いていたが、NY株の暴騰で地合いが反転し、上値余地を探る動きとなった。但し現在のトレンドが反転するほどの上昇にはなっていない。今後は中国以外の国々での在庫積み増しの動きが見られると予想されることから需要は向こう1年半程度横ばいと見ている。一方で、大手生産者は引き続き生産を見送っており、トータルでニュートラルであると見られ、需給は均衡する中景気回復に伴い価格は上昇することになろう。LME在庫は+132Mt増加、(FSCは38.5日)、キャンセルワラント率は0.9%。売買高は1,610枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は58ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは16,800.00(+695:58C)。

Tin 3M   :14,990.00(+240:79B)
 昨日の錫価格は上昇した。取引序盤は50日移動平均線のサポートを試す動きとなっていたが、NY時間の株暴騰で結局水準を切り上げる動きとなった。この夏、インドネシア政府は違法生産者の逮捕に踏み切っており、インドネシアの錫生産は減少の一途を辿っている。また、インドネシアからの精錬錫輸出もこうした国内の生産の不安定さから安定していない。こうした供給の不安定さが引き続きイールドカーブの形状をバックワーデーションに維持することが予想される。LME在庫は▲25Mt減少、(FSCは26.0日)、キャンセルワラント率は0.76%。売買高は279枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は79ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは14,990.00(+240:79B)。




【エネルギー】
WTI :78.90(+2.55)
Brent :78.76(+3.21)

 昨日のNY原油は上昇した。取引序盤から買い戻しが優勢であったが、NY時間の株の暴騰を受けて大幅な上昇となった。チャート的に30日移動平均線を回復するか否かが今後の短期的なレンジを決定する上で重要だと考えていたが、昨晩の上昇で再び75ドルよりも高い水準での推移が続くことになると考える。ただしIMFの田中事務局長がコメントしているように、先進国の石油需要は殆ど回復していない。しばらくは消費が耐えうる価格レベルを試す動きになると見るが、持続的に80ドルを上回る価格が維持できる経済環境にあるとは言えず、調整リスクをはらみながら上値余地を試す動きになろう。また短期的には11月末を控えたポジション調整の売り(利食い売り)が入りやすくなると予想されることから頭重い推移となろうか。中期的にはIMFの見通し上方修正にあるように、景気回復に伴う需要増加観測から水準を切り上げる動きになると考えている。イールドカーブはパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+3.1%。昨日の引けは78.90(+2.55)。 Brentは上昇した。直近限月の騰落率は+3.9%昨日の引けは78.76(+3.21)。 WTI/Brentは+0.14のポジティブスプレッドに。
 RBOBは上昇した。原油価格の上昇を受けて。この上昇を受けて再び200セントの節目をトライしたが、結局この水準を下回って引けている。クラックスプレッドの縮小に見られるようにガソリン需要は決して回復していない(横ばい)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+3.4%。昨日の引けは198.68(+7.06)。 ヒーティングオイルも上昇した。昨日の引けは203.20(+6.59)。イールドカーブはパラレルに上昇している。昨日の引けは203.20(+6.59)。 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブはパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+2.7%。昨日の引けは628.50(+17.5)。



【ひとりごと】
朝、体重を量ったら
昨日から3キロも増えていた

俺、そんなに食べてるかな
食べてないと思うんだけど
と、思ったが
体重が増えている以上、口を通じて何らかの質量が体に取り込まれているわけである。

で、実際3キロって相当な重さですよ
冷蔵庫に入っているペットボトル2本分
あれって1本でも十分重いのに
2本ですよ、2本

それが口を通じて体に取り込まれ
体のどこかに滞留しているわけですよ

と、考えると本当に恐ろしくなる
目の前に置かれているコーヒーも、ぱっと見300cc
これを飲むと300グラム体重が増加するんだよな...

と、思うと3キロって、コーヒー10杯か
そんなに無茶苦茶な量でもないよなぁ...
タバコを止めて1年がたつが
やっぱり太るんですね。