【商品市況概況】
「小動き」
昨日の商品価格は小動きであった。寒波の影響が和らいだことやドル高進行を受けてエネルギー価格は総じてジリ安の展開、非鉄金属は中国の投資抑制の動きを受けつつも、景気回復は順調であるとの見方から比較的堅調な推移、となっている。
足許商品相場は決定的な材料に乏しい中、現状水準での推移、あるいは現状のモメンタムを維持しつつ小動きを続けている。冬場の終了、企業の四半期決算の状況、各国のGDPの状況、といった追加材料がなければ動きにくい環境になっているといえる。しばらくは売り方も買い方も我慢であろうか。
【経済関連ニュース】
・11月日本鉱工業生産確報 前月比+2.2%(速報比▲0.4%)。
【為替・株】
NY Dow :Close
S&P500 :Close
NIKKEI225 :10,855.08(▲127.02)
Dax :5,918.55(+42.58)
FT250 :9,572.07(+33.87)
Sensex :17,641.08(+86.78)
Shanghai A :3,394.564(+13.422)
Brazil Bovespa :69,400.9297(+422.633)
JPY/USD :90.71(▲0.09)
USD/EUR :1.44(+0.0016)
・ドルは対ユーロで上昇。ギリシャ問題に端を発した欧州各国への財政不安からドルが選好された。円は対ドルでは小動き。
・日本株は下落。週末の米株下落を受けて。日本経済は海外と異なり、ダブルディップの可能性が残ることから徐々に上値が重くなってきている。米国は休場。
【穀物】
Cbot Wheat :Close
Cbot Corn :Close
CSCE Sugar :Close
【貴金属・非鉄金属】
Comex Gold :1,133.70(+3.2)
Comex Silver :Close
Nymex Platinum :Close
Nymex Palladium :459.5(+11.75)
Copper 3M :7,500.00(+70:25.75C)
昨日の銅価格は上昇した。7,500ドルを割り込んでいたことから朝方から打診の買いが入っていたが、欧州時間でLME在庫が久しぶりにまとまったロットで減少したことなどを切っ掛けとして上昇した。ただし10日移動平均線の上値重く、ドル高の進行もあって引けにかけては伸び悩んだ。短期的には中国の金融引き締めの効果によって頭重い推移となり易い。中期的には景気回復が持続すると見られること、銅鉱山(Mine)からの供給には少なくとも5〜7年程度掛かると見られることから、中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するとの見方に変更はない。LME在庫は▲2,025Mt減少、(FSCは10.6日)、(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は5,910枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブはほぼパラレルに上昇している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は26ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは7,500.00(+70:25.75C)。
Zinc 3M :2,481.00(+11:26.75C)
昨日の亜鉛価格は上昇した。銅と同様、こちらは30日移動平均線でサポートされたこともあって買い戻しが優勢となったが、ドル高の進行といったマイナス材料もあり上げ幅は限定された。今後も亜鉛価格は最大需要国、中国の鉄鋼需要が堅調に推移すると見られ高値での推移が続いた後、経済対策効果の剥落で年末にかけて一旦調整するだろう。LME在庫は▲25Mt減少、FSCは16.5日(キャンセルワラント率は0.8%)。売買高は2,501枚。イールドカーブは略変わらず。C-3は27ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,481.00(+11:26.75C)。
Lead 3M :2,465.00(+30:21.25C)
昨日の鉛価格は大幅に上昇した。材料は特段なく、銅等が物色される流れに乗った格好。引き続き最大需要国中国の需要は旺盛なるも、ドル高の進行といったマイナス材料はあり、上値は重かった。今後は第二の寒波が中国に襲来する見込みであることから、中国の金融引き締めといったマイナス材料はあるが現在の水準でのもみ合いになると考える。中期的には中国、インドといった新興国の需要が増加すると見られることからやはり他の非鉄金属同様堅調な推移になると考えている。LME在庫は+600Mt増加、(FSCは6.7日、キャンセルワラント率は0.0%。)。売買高は1,012枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は21ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,465.00(+30:21.25C)。
Aluminum 3M :2,303.50(▲2.5:29.75C)
昨日のアルミ価格は下落した。基本、10日移動平均線近辺でのもみ合いが続いているが、昨日はドル高の進行が嫌気されたようである。今後も2,000ドルラインを維持できるか否かがポイントとなるが、景気悪化に伴う生産調整圧力の影響と寒波の影響でこの水準を下回っての下落の可能性は極めて低い。また今後は、資金調達や投機を目的とした現物保有が加速すると見られることから引き続き堅調な推移になると考えている。LME在庫は▲5,650Mt減少、(FSCは48.4日)。(キャンセルワラント率は5.4%)。売買高は6,458枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は30ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,303.50(▲2.5:29.75C)。
Nickel 3M :18,890.00(+290:72C)
昨日のニッケル価格は上昇した。短期の目処である10日移動平均線を週末上回っていた上、前日引けを上回って寄り付いたこと、LME在庫の減少といったプラス材料もあり、堅調な推移となった。中国の金融引き締めによる在庫積み増しの動きは終了し、期待されていたOECD諸国の在庫積み増しの動きは予想ほどではない可能性が高まり、在庫積み増しに伴う需要が予想を下回ると考えられるものの、アルミと同様、カーブのコンタンゴ化を映じて資金調達や投機目的の現物保有が加速すると見られることから、堅調な推移を予想する。また、大手生産者の生産調整が比較的早い段階から行われていることから、供給サイドもサポート材料になろう。LME在庫は▲330Mt減少、(FSCは47.2日)、キャンセルワラント率は0.8%。売買高は1,728枚。イールドカーブは期近が小幅下落している。C-3は72ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは18,890.00(+290:72C)。
Tin 3M :18,000.00(▲100:67C)
昨日の錫価格は下落した。ドル高の進行が材料となったようだ。寒波に伴う豪雪の影響でアジア域内の現物が調達しにくくなっている可能性がある(不確かではあるが)。今後も、最大生産国インドネシアの生産が安定しないことから需給環境はタイトに推移しやすく、堅調な推移が続くと考えている。イールドカーブは期近が小幅低下している。LME在庫は+100Mt増加、(FSCは26.6日)、キャンセルワラント率は3.89%。売買高は201枚。C-3は67ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは18,000.00(▲100:67C)。
【エネルギー】
WTI :78.25(+0.25)
Brent :77.10(▲0.01)
・アティーヤエネルギー相「2009年は増産の可能性は低い」
昨日のNY原油は時間外取引で上昇した。ドル高の進行と週末の経済統計悪化の流れを受けて下値余地を探る動きとなったが、50日移動平均線でサポートされたことや、第二の寒波襲来懸念等で反発することとなった。テクニカルな上昇である。今後に関しても、第二の寒波が襲来する見込みであること、企業決算の好転を材料に株価が堅調に推移していること等のプラス材料もあり、足許75ドルを下回ることは難しいだろう。中期的には景気回復(GDPプラス成長への回復)に伴う需要増加観測が原油の下値を堅くしようが、経済対策の効果の剥落を受けて春先に掛けて水準を切り下げる動きになると考えている。イールドカーブは殆ど変わらず。直近限月の騰落率は+0.3%。昨日の引けは78.25(+0.25)。 Brentは下落した。直近限月の騰落率は▲0.0%昨日の引けは77.10(▲0.01)。 WTI/Brentは+1.15のポジティブスプレッドに。
RBOBは上昇した。といってもNY休日でかつ、新規材料に乏しい中10日移動平均線近辺でのもみ合い推移となった。ガソリンはファンダメンタルズが弱く、原油のサポート材料がなければ上昇しにくい。イールドカーブは略変わらず。直近限月の騰落率は+0.1%。昨日の引けは204.65(+0.11)。 ヒーティングオイルは下落した。原油価格の上昇と、寒波襲来予報等を受けて10日移動平均線を試したが、この水準は上抜け出来なかった。昨日の引けは204.40(▲0.2)。イールドカーブは殆ど変わらず。昨日の引けは204.40(▲0.2)。 ICEガスオイルは下落した。イールドカーブはパラレルに低下。直近限月の騰落率は▲1.1%。昨日の引けは623.50(▲6.5)。
【ひとりごと】
滅多に政治のことは書かないんですが、ちょいと思ったことがあるので書きます。
(別に政権批判じゃないです。ちょっとアイデアです)
なんだか、ガソリンの税金が160円以上になると免除される法案が提出されるらしいですね。
こんな仕事していると思うんですが、すごいリスク取りましたよね。
まあ、消費者の側からすれば価格が上がらないので、助かるんですけど。
当たり前だが、1リットルあたりの税額が確定していれば
数量のみ見込めば、どれぐらいの税収になるか、ってある程度税収の計算は可能であるんですが
今回のように価格をトリガーにして税金が増減する、という体制にすると
使用数量のみならず、市場価格動向も税収に影響を与えることになるので
税収のボラティリティ(変動性)が上がることになります。
新聞ベースでしか良く分かりませんが
3ヶ月連続で160円を上回ると25円税額が下がり、3ヶ月連続で130円を下回ると元に戻る
らしいですが、もしこのルールどおりだとすると
1回160円を超えると税額が下がるが、その後130〜160円で推移すると税金は下がったまま
ってことなので、「急騰して、急落する」と最も消費者にとってメリットが出てくるんですよね
ってことは、急騰・急落後に発生する税収減はどうやってまかなうんでしょうか?
結局他の税金でまかなうって事になるんでしょうか。それって、相当なリスクなのでは...
多分、そうなるとこの形式のままだと回らなくなるので
その時に、国会で再度審議することになるとは思いますけど。
でも。
もし、そうするならば、いっそ国で原油のコールオプションを買えば良いんですよね。
普段払っているガソリン税の一部を使ってオプション買って
上がったときはコールオプションの権利を行使して
でも、国がデリバティブ、っていうと多分もめるんだろうなぁ。
多分できないんだろうなぁ。
いや、絶対無理なんだろうなぁ。