方向感

【商品市況概況】
「方向感乏しく」
昨日の商品市場は方向感乏しく、高安まちまち。在庫水準が少なく需要が旺盛な銅、欧米の寒波襲来で一時的に市場に買い材料を与えているエネルギー、欧州不安が再び高まっていることなどから金、銀が上昇した。それ以外の商品は取り立ててこのタイミングで買いを入れる理由もなく、ドル高が進行したこともあって総じて小幅下落となっている。


米雇用統計が予想よりも悪かったことから年末を控えた手じまい売りなどが入りやすい環境ではあるものの、米国の量的緩和実施に対抗する形で新興国金利を引き上げ、さらには金融規制を行わんとしていることが、総じて規制の少ないコモディティ市場への資金流入を促す結果となっている。
尚、エネルギーや食物に関しては規制の網がかかっているが、非鉄金属、貴金属に関しては規制の網もかかりにくい。


特に現物の形式で保有された場合には実需なのか投機なのか、の線引きが難しく余剰資金がこれら金属市場へ流入しやすい環境が徐々に整ってきているともいえるだろう。



「銅ETF
ここにきて、急速に銅への関心が高まっている。今年の秋ごろには経済対策などの息切れから、一旦生産コストベース近辺である6,000ドル程度まで下落してもおかしくないと考えていたものの、大規模な金融緩和の効果もあって下値が堅い状態となっている。


銅は供給が少ないうえに、最大消費国中国の需要(電力需要増加に伴う電線需要)が堅調に推移しており需給はタイトで、さらに銅のETFがニューヨークに来年上場される見通しであり、投機資金の流入を通じて価格を押し上げる可能性が高まってきた(欧米の大手投資進行はETF組成の準備を始めていると報じられている)。


ETFは株式市場に上場されるため、一旦上場された場合の潜在的な「購入余力」は商品取引所に上場されているときに比べて格段に高くなる。さらにETFは現物保有を前提とする商品であるため、買いから入るのが基本であるため、使用可能な現物の数量の減少を映じて商品相場にプラスのインパクトを与えることになる。これは金銀ETFの結果を見ても明らかだろう。産業界(消費者サイド)がこの動きに対して批判的な見方をするのは当然のことと言える。しかし、銀のETFを上場する際に非常に議論があったものの、結果的に上場された事実を鑑みると、今回も議論はあれども上場される可能性が高いと見ておくべきである。


もし上場された場合には、銅価格は11,000ドル迄上昇することになると予想される。但し、益出しのためのETF売却時には現物が市場に還流することもあって、大幅な下落になると考えられ、6,000ドル台まで下落する可能性もある。いずれにせよ来年の銅価格は乱高下することになるだろう。なお、弊社の来年の銅価格予想は、平均で8,200ドル程度を想定している。



コモディティインデックス】
MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):38.39(+0.01)
MRA RMI(MRAレアメタルインデックス):300.16(+1.94)



【雑感】
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