リスク回避の動きで続落

【商品市況概況】

「リスク回避の動きとりあえず一巡」

昨日の商品相場はリスク回避の動きが一巡したことから、おおむね反発している。原子力発電所の状況は深刻の度合いを増しているが、震災発生から6日経っており、リスクマネーのポジションクローズが一巡したとみられ個別のファンダメンタルズに回帰した買い戻しが入ったためだ。


良くも悪くも日本の国際商品市場に占める実需のシェアは低下しており、世界市場でのシェア拡大が著しい新興国の需要増加観測が材料となった形である。


エネルギーは上昇。リスク回避の売りが一巡した後、中東情勢がさらに悪化していることを材料とした買いが入り上昇した。世界的に原子力発電のあり方について見直す動きが出始めていることも材料となっている。


ベースメタルは上昇。これもエネルギーと同様でリスク回避の売りが一巡した後、実需の買いで上昇している。貴金属はプラチナを除き小幅反発している。穀物は続落。



「商品市場は比較的冷静」

福島原発の動向がおさまらない中、国内市場はパニックの様相を呈し始めている。一部報道では東証をクローズせよ、と外資系金融機関がオファーをしたとも報じられており、いささか冷静さを失っているようだ。一方で商品市場は、リスク要因を織り込んで比較的冷静な動きとなっている。


商品市場は需給のファンダメンタルズで動くものの、他金融市場への影響が大きい、という意味では債券と並び株は「金融市場の王様」であり、この市場が安定しない場合当然商品にも売り圧力がかかることになる。

この場合の売りは、株下落による信用収縮で実需が減少する、という意味合いの下落である。


正直、現在の日本の材料が世界の金融市場やさらにはファンダメンタルズにどのような影響を与えるか、全く分からない。ガイトナー財務長官も「影響度合いは現時点では不明」とコメントしている。

今のところ懸命の復旧作業で原発の本当に危機的な状態は回避はされているものの、予断を許さない状況が続いている。心から早期の復旧を期待したい。


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コモディティインデックス】
MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):33(+0.25)
MRA RMI(MRAレアメタルインデックス):322.45(+0.94)