金子信雄-その2

(商品市況概況)
「世銀の経済見通しで下落」
 昨日の商品価格は軒並み暴落している。世銀が経済見通しを発表し、各国・地域の経済成長率が前回発表時から大幅に下方修正されたため、「景気の回復に対する過度な楽観」で急上昇していた商品相場は調整することとなった。
 ここで整理しなければならないことは、ここまでの価格上昇は「投機のみ」で上昇しているわけではなく、いくつかのステップを踏んで上昇してきているということである。ここまでの価格上昇をいくつかのステージに沸けた場合、まず著しい信用不安の拡大で各企業の資金調達が困難であった今年の第一四半期の後半に、各国金融当局が大幅な量的緩和を実施し、資金調達不安が後退、有る意味マイナスのプレミアムを支払って下落していた商品相場が「正常な価格に回復」する形で上昇した第一期、次に各国経済対策、特に中国の経済対策実施に伴い輸入が増加して非鉄金属価格が上昇した第二期、(人工的であるか無いかは別にして)需要の増加と量的緩和を切っ掛けとして各種チャートポイントを上抜け、投機資金が流入した第三期、に分けられる。今回の世銀の経済見通し下方修正は、この「第二期と第三期」の買い材料が剥落する可能性を示しており、極端に言えば今年の3月末程度の水準まで価格が調整してもおかしくないことを意味している。しかしながら、昨晩のその経済見通しのみをもってそう判断するのは早計である。これから注目すべきは、各四半期に発表されるGDPと企業決算の動向である。
 引き続き、二番底を早ければ秋、メインシナリオとしては来年の1月に付け、商品価格が本格的な上昇局面入りする、というシナリオを堅持したいと考えている。


(経済関連ニュース)
・6月独Ifo景況感指数 85.9(前月改定84.3(速報比+0.1))、市場予想85.0。予想を上回る改善。
・世銀2009年世界成長率見通し ▲2.9%(前回発表時比▲1.2%)、2010年+2.0%(▲0.3%)。
 2009年米成長率 ▲3.0%(前回発表時比▲0.6%)、日本 ▲6.8%(▲1.5%)、ユーロ圏▲4.5%(▲1.8%)、途上国+1.2%(▲0.9%)。
 ※IMF見通しでは、2009年の成長率は▲1.3%、2010年は+2.4%。
・ルービニ教授「原油高と各国財政赤字拡大の二重苦で、再び景気が悪化するリスクがある」(ついこの前、9月に底入れ、って言っていたんですが...)


NY Dow  :8,339.01(▲200.72)
S&P500   :893.04(▲28.19)
NIKKEI225 :9,826.27(+40.01)
JPY/USD :95.91(▲0.27)
USD/EUR :1.387(▲0.0088)

・ドルは対ユーロで上昇した。世銀が発表した経済見通しが大幅な下方修正となったことから、景気底入れのタイミングがずれ込むとの観測が強まり、ドルが買われた。円は対ドルでは下落。グローバルリセッション回避のタイミングが遅れるとの見方から、海外リスク資産からの資金引き揚げが起きたとみられる。
日本株は続伸。米国株が堅調に推移していたことから。米国株は大幅に下落。世銀の経済見通しが前回発表時から大幅に下方修正されたため。


穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :546.00(▲9.25)
Cbot Corn :385.25(▲14)
CSCE Sugar :15.07(+0.07)


非鉄金属関連ニュース)
Comex Gold :920.60(▲15)
Nymex Platinum :1,169.1(▲42.1)

・NY金は大幅に下落した。世銀経済見通しの悪化に伴い、ドルが選好されたため。この結果、50日移動平均線を大きく割り込む下落となった。昨晩は株やその他の商品の価格の大幅下落に伴う益出し売りに押された格好であるが、基本的には金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易いことから、下げ幅は下ね居されることになろうか。今のところQ209の間は金価格の急落は想定していないが、7月以降の経済統計の内容次第では大幅な下落の可能性もある。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 920.60(▲15)。
 銀価格は大幅安。ドル高と株安が材料となった。工業品としての色彩の強い銀は、金と異なり、株価の下落に連れ安となり易い。この結果、長く維持してきた50日移動平均線を割り込んだ。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,370.50(▲49.5)。

・NYプラチナ価格は大幅に下落した。プラチナ価格の変動要因であるドル・ユーロが世銀経済見通しを受けてドル高に振れたこと、同時に工業品としての色彩が強いプラチナは株価の影響を受け易いが、こちらも昨日は大幅に調整したことから大幅な下落となった。プラチナは比較的ドルユーロとの相関が高いが、今のところ一次回帰線上に価格が安定している。昨日の引け(東京時間0:00)は1,169.1(▲42.1)。
 パラジウムは大幅に下落し、50日移動平均線を割り込むに至った。昨日の引け(東京時間0:00)は233.45(▲12.05)。

南アフリカ当局者「XtrataのAnglo Americanとの合併提案が実現すれば、プラチナ業界の過剰支配を招く可能性がある」
・Anglo American、Xstrata提示の合併案を拒否。「断じて受け入れられない」



(非鉄金属)
Copper 3M :4,761.00(▲269:22.5C)
 昨日の銅価格は下落した。LME在庫の減少は続いているものの、昨日発表された世銀の経済見通しで、経済成長率が大幅に下方修正されたことが端的に嫌気された。そもそも二番底を付けに行く展開を予想しているためこの下落は違和感がない。昨晩は50日移動平均線でサポートされて引けている。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は底を打ったと考えられ、当面5,000ドルを挟んで高い水準での推移となろう。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、夏場に掛けて一旦調整で下落すると見ているが、その下落は、年後半以降の価格上昇の前の調整と見ておくべきだろう。LME在庫は▲2,750Mt減少、(FSCは58.9日)、(キャンセルワラント率は6.0%)。売買高は12,170枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は23ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは4,761.00(▲269:22.5C)。

Zinc 3M   :1,502.00(▲74:29.25C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。特段新規材料がない中レンジワークを繰り返していたが、昨晩の世銀経済見通し発表を受けてセンチメントが悪化、大幅に下落し2月以降維持してきた50日移動平均線のサポートを割り込むに至った。需給はイールドカーブが示すようにタイトではなく、需要の根幹となる経済見通しの悪化は端的に売り材料となりえるため、今度は「上がりすぎの修正」によって相場水準は低下すると見る。LME在庫は+75Mt増加、FSCは11.4日(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は5,984枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は29ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,502.00(▲74:29.25C)。

Lead 3M   :1,602.00(▲93:23C)
 昨日の鉛価格は下落した。昨日発表された世銀経済見通しの悪化を受けて、売られることとなった。何回かこのコラムでも、大手生産者の生産再開やそもそも景気回復に至っていないことから現在の価格水準は肯定できないレベルであることを指摘してきたが、マインドの回復に伴って価格上昇が肯定されていたため、昨晩のような経済見通しの根幹の下方修正はマインドの悪化を促し下落材料となりえる。今後は7月以降に発表される経済統計の内容を受けて、下値の落ち着きどころを探る展開となろう。LME在庫は+375Mt増加、(FSCは3.8日、キャンセルワラント率は0.1%。)。売買高は1,855枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。C-3は23ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,602.00(▲93:23C)。

Aluminum 3M :1,574.00(▲106:31.5C)
 昨日のアルミ価格は下落した。露生産者の経営問題を材料に、出遅れ感から大幅に上昇していたアルミであるが、1,750ドルのコストベースをこの材料でも上抜けできなかったところに、昨晩の世銀見通し大幅下方修正を受けて、売られることとなった。今後は7月以降に発表される経済統計と企業業績がフォーカスされることになろう。景気底打ち期待感から多くの商品価格が上昇している環境下、コストベースとして一般に意識されている1,750ドル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)までの価格上昇はあってもおかしくないと見ていたが、このタイミングで経済見通しが大幅に悪化したことから、しばらくは下値余地を探らざるを得ないだろう。LME在庫は▲7,300Mt減少、(FSCは42.9日)。(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は10,516枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は32ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,574.00(▲106:31.5C)。

Nickel 3M :14,500.00(▲700:92C)
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫の減少はあったが、世銀の経済見通し大幅下方修正を受けて調整を余儀なくされた。新規の個別材料がない中、株や為替といった周辺材料を受けて価格が変動していたが、需要の根幹となるGDP見通しの下方修正はさすがに無視できなかったようだ。LME在庫は▲24Mt減少、(FSCは29.0日)、キャンセルワラント率は2.7%。売買高は1,732枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。C-3は92ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは14,500.00(▲700:92C)。

Tin 3M   :14,400.00(▲425:3C)
 昨日の錫価格は下落した。世銀経済見通しの下方修正を受けて、大幅に調整した。しかしながらLME在庫水準が決して高いわけではないことから下げ幅は限定され、30日移動平均線でサポートされて引けている。引き続きイールドカーブの形状が示すように需給は引き続きタイトであり、下げ幅は限定されると見ておきたい。LME在庫は▲15Mt減少、(FSCは16.7日)、P596は12.42%。売買高は360枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は3ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは14,400.00(▲425:3C)。


(エネルギー関連ニュース)
WTI :66.93(▲2.62)
Brent :66.98(▲2.21)

・米在庫統計市場予想 原油▲1.2MB、ガソリン+1.0MB、ディスティレート+0.8MB、稼働率+0.05%



(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に続落した。そもそもここまでの価格上昇に対するピッチの速さに警戒感が強まっていたところに、世銀の経済見通しが大幅に下方修正されたことが材料となった。結果、10日移動平均線を割り込んで寄り付いた後に大幅な下落となり、とりあえず30日移動平均線でサポートされて引けている。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲4.1%。昨日の引けは66.93(▲2.62)。 Brentも同様の相場展開で略終始一貫して相場水準を切り下げ、30日移動平均線でサポートされて引けた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲3.4%。昨日の引けは66.98(▲2.21)。 WTI/Brentはポジティブスプレッドは略変わらず。
 石油製品は下落。RBOBは大幅な続落となった。原油価格の下落に伴い、調整を余儀なくされた。但しそもそもRBOBはFSCの水準が引き続き低いことが確認されており、下げ幅は限定されることになると考えている。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲3.6%。昨日の引けは185.97(▲6.47)。 ヒーティングオイルも下落。材料は同じであるが、ヒーティングオイル在庫の水準は週半ばの統計でも確認されているように極めて高いことから、こちらは200日移動平均線一杯まで水準を切り下げている。イールドカーブは期近の下げ幅大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲3.5%。昨日の引けは172.75(▲5.92)。 ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲6.9%。昨日の引けは548.00(▲35.25)。


(ひとりごと)
この感動を是非いろいろな人に伝えようと
翌週のキャディのバイトで私が付いたお客さんに話すことにした

スタートがこのロングホールからであった。
一応、お客さんに狙いどころを説明する。
通常の飛距離の人間だと、昨日説明した林を越えることは殆ど無理であることから
真っ直ぐ、曲がり角に有るバンカーに向けて打つようにアドバイスする
このバンカーもティグランドから240ヤード以上飛ばさないと入らないので、朝一に売ってもそうそう入るものでもない。
ところがお客さん、

客「ねえキャディさん」
私「はい」
客「あの右の林の上を越えるのは無理なの?」

とのご質問。

私「無理とは言いませんが、恐らくキャリーで260ヤードぐらい出せないと越えられないと思いますよ。しかも高いドローで」
客「260キャリーは無理だな...あそこの林を越える人なんているのかね?」


来た
あの感動を人に伝える瞬間が


私「私もこのゴルフ場でバイトしていて、実際にこの林を越えたことがある人は1人しか知りません」
客「有名な人?」
私「ええ」
客「僕も知っているかな」
私「ええ」
客「誰なの?」


私「金子信雄です」
客「....!!」

(続く)


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